どうか普通に起こしてください
「あとはだけだね」
「まだ寝てるんじゃないか?」
「じゃあ俺起こしてくるー」
「オレもー!」
「ジタン、お前は今日料理当番だろ」
「えーバッツだけずりー!」
「へっへっへ、はおれだけのものだぜ!」
まさかの嫁宣言!?と思いきや、そう言ってキラーンと見せるのは黒のマジックペン。
あぁなんたるフラグクラッシャー。
「・・・・・・何でも良いから起こしてこいよ」
「任せとけ☆」
バッツは良い笑顔でスコールに親指を突き出してみせた。
「おーい〜朝だぞ〜」
ガチャンと部屋を開けたバッツは、慣れた様子での寝ている寝台まで向かう。
昨日は誰かと飲んでいたのか、空き缶やら衣服が散乱している。酔ってそのまま寝たな。
「おー、こりゃフリオが見たら卒倒もんだな!」
あろうことか、は下着と上に1枚羽織っているのみの恰好で、その艶やかな生足は布団の上に投げ出し、パンチラをしている。
胸元もはだけ、ふくよかな胸が覗き見える。
ただでさえ寝相が悪いのに、適当な恰好で寝るからこんなことになるのだ。
バッツは腕を組みジッとを見ながら考えた。
今からでもフリオニール呼ぼっかな・・・・・・いやいやでも起こさずに戻ったら怒られるしな
・・・・・・・・つーか、胸大きくなった?
悪戯して起こすにも、これだけ色気を振りまいているのだ、そっち系でやってやろうかと、バッツは両手を伸ばした。
服の合わせ目を広げ、そーっと中に手を入れる。
そしてゆっくり胸を弄った。
起こさないように、優しくそっと。もう起きてしまったらつまらない。
「ん…」
僅かにが反応する。
ただ眉を顰め身じろいだだけで、眠りは深いようだ。
次にバッツはの頬をペロッと舐めてみる。
この世界に犬や猫のような動物はいないからさぞやビックリするだろう。(いたとしてもビックリだ)
何度か舐めるが、は無意識の内に手で払いのけようとするだけで、良い反応がない。
鼻筋、唇もぺろんと舐めてみるが、同じだ。
・・・・・・ちょっと、マジで眠り過ぎじゃね?
そんなに昨夜酒を飲んだというのか。普通なら、寝ていても周囲の気配に敏感でないといけない筈なのに無防備すぎる。今なら敵に襲われても気付くことなくポックリ逝きそうだ。
というかバッツもあまり効果のない悪戯に飽きてきた。
「もしもーし、さーん?いい加減起きないと、もっとやっちゃうぞー、朝から一発しけこむぞー」
「・・・・・・・・・・」
「こんにゃろ・・・・・・よーし、とっておき」
バッツはの鼻をつまんで空気の通り道を塞ぐと、唇に唇で重ねた。
息止め耐久レース。は何分保つでしょうー
・・・・え?水の中・・・・・・・?な、に・・・・・・息ができな・・・・苦しい!
がばっ
夢の中で溺れ、は飛び起きた。荒い呼吸を繰り返す。死ぬかと思ったー夢で良かった。
見慣れた自分の部屋にいることに安堵するも、ふと近くで転がっているバッツに気付いた。
「何やってんの?」
「記録は10秒。ちょっと残念な結果だな」
「?」
何言ってんだろコイツは。
バッツが理解不能な言動をすることは多々あるので追及しないが、朝勝手に部屋にいることに少々不安を覚える。
そしてようやくは自分の霰もない姿に気付き顔を赤くしシーツにくるまった。
「ちょっ、バッツ!まさか私に何かした?」
「何もしてねーもーん。初めっからそんな恰好で寝てたよ」
バッツの言葉にむぐぐと記憶を引っ張り出す。
確か昨日は飲んでたから、着替えるのもめんどくさくなって脱ぎ捨てた・・・・かもしれないけど、だったら恥ずかしすぎる・・・・・!!
思わずは顔面を両手で覆い隠す。
するとそこで新たな違和感に気付いた。
なんか、顔中がベタベタしてる・・・・・
それも水とかではなく、生き物独特の臭いが少し混じってるような・・・・・・こっちは、本当に。
は顔を真っ赤にして怒鳴った。
「バッツ!私の顔舐めたでしょ!!」
「ぎくっ」
「あーもう信じられない!普通する!?」
「起こしに来てやったんだろー、みんな待ってるからな、じゃ!!」
そう言うとバッツは颯爽と部屋を出た。
の肩がワナワナと震える。
「だったら普通に起こせやぁあああ!!」
END
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あとがき
ご め ん な さ い (土下座)
しかしバッツ相手だとこんな感じが当たり前になりそうです。
バッツはフラグクラッシャーというイメージが強いのでハッキリヒロインのことを好きだと思ってなくて、
何をやっても大好きな仲間、という意識がありそうですが単に気付いてないだけ。
もしくはそーいう肉体関係も出来る程の悪友みたいな感じです。
現実に肉体だけの関係持ったりすることあるし、人間だからs(以下略)
更新日:2009/05/03